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：その15：
PRELUDIO（プレルーディオ／プレリュード：前触れ）

１月も半ばを過ぎるあたりから、黄色い雲が木々を飾り始める。
ミモザの花。
遠慮がちに薄黄の粒がつきはじめ、気温があがる度に粒が大きくなる。
ミモザは春のPRELUDIO（プレルーディオ／前触れ）だ。

桜の季節、思いがけないところで桜に出くわし、その多さに驚いたことはないだろうか？ ローマのミモザもそうだ。 冬の間、他の木に混じっていたのが、先駆けて花をつけはじめる。あれ、こんなところにも、あ、ここにも…と春のPRELUDIO（プレルーディオ／前触れ）にお目にかかる。

２月一杯、３月の半ばごろまで鮮やかな黄を見せてくれる。そして、地表にも黄色い野菊が咲き始め黄の饗宴。こうなると春はもうそこまできている。
ローマの春は黄色がPRELUDIO（プレルーディオ／前触れ）。

　

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今日の単語：
PRELUDIO

PRELUDIOは、時間空間的な「前」を表わす接頭語PREーと、娯楽、遊び、アクションを意味するLUDIOとの合成語です。

学校の理科の時間、顕微鏡にセットするガラス板を「プレパラート」って言いましたね。
PREPARATOは「（前もって）用意された」という意味です。

PREPOSIZIONEは前置詞、pre（前）- ポジションと言うわけです。
PREVEDEREは予見する。pre（前）-見る（vedere)です。
フランス語のママ、mamanと合わせて、妊婦、マタニティウエアの総称をPRE-MAMANなんて言ったりします。
イタリア語の辞書を持っている人はpre-の項目を眺めるといろいろ発見があって面白いと思います。

-----おまけ----
ミモザは3月8日の国際婦人デー（LA FESTA DELLA DONNA) の花でもあります。
男性が母に、妻に、恋人に、同僚に敬愛の意味を込めて贈る習慣になっています。
この日、イタリアは胸にミモザの花を飾った女性であふれ、道にはミモザの花束を売るにわか花屋が増えます。

お家にミモザの木をお持ちの男性の方、ミモザは切れば切る程成長する強い木です。
安心して花束を作って、たまには大切な方に花を贈ってみてはいかがでしょう？

女性の方は自分に贈って、女性であることを満喫する糧にしてみてもいいと思います。

ローマから吹く風　その１５（３月２日発行）